Wednesday, March 20, 2019 10:33 AM

カザフ大統領が辞任 30年君臨、長女後継視野か

 中央アジア・カザフスタンで30年近くトップに君臨してきたナザルバエフ大統領(78)は19日、テレビで演説し「大統領権限を停止する」と述べて辞任した。カシムジョマルト・トカエフ上院議長(65)が20日、憲法規定に基づき新大統領就任を宣誓した。来年4月までのナザルバエフ氏の大統領任期を務める。

 上院は20日、トカエフ氏の後任の上院議長にナザルバエフ氏の長女ダリガ・ナザルバエワ氏(55)を全会一致で選出した。ダリガ氏を実質的な後継者にする布石との見方があり、外交筋は「トカエフ氏には政治力がなく、親子による実権継承を視野に入れた動きだ」と分析した。

 大統領選は来年実施予定だが今年中に前倒しされるとの観測も出ている。辞任したナザルバエフ氏は引き続き安全保障会議議長と、与党ヌル・オタンのトップにはとどまると表明。トカエフ氏については「実直で責任感が強く、カザフスタンの統治を任せられる人物だ」と評価した。(共同)