Wednesday, March 20, 2019 10:33 AM

ロシア大使「返還議論はまだ」 北方領土で日本けん制

 ガルージン駐日ロシア大使は20日、東京都内で講演し、日露両政府が進める北方領土問題を含む平和条約締結交渉について「少なくとも今の段階で(島を)引き渡す、引き渡さないという次元の話ではない」と述べ、早期解決を期待する日本側をけん制した。

 日ロ首脳は昨年11月、1956年の日ソ共同宣言を基礎に交渉を加速させることで合意した。ガルージン大使は「近いうちに日本で外務・防衛閣僚協議(2プラス2)が開かれるように日露で調整を進めている」と明らかにした。日本政府関係者によると、春を想定して日本で予定する河野太郎外相とラブロフ外相の次回会談と合わせて開催する方向で日ロ両政府が調整に入った。

 講演でガルージン大使は「(歯舞、色丹の2島引き渡しという)宣言の一部が注目されているが、宣言全体の履行を考えた方が良い」と指摘。日本がウクライナ問題を巡り、米国主導の対ロシア経済制裁に同調しているのは「(宣言にある)友好と善隣の精神に合致しない」と不快感を示した。(共同)