Friday, March 22, 2019 10:20 AM

金融庁、地銀の監視強化 収益低迷で業務改善命令

 金融庁は地方銀行など地域金融機関への監督指針を見直し、監視を強化する。「自己資本比率」の水準など財務の健全性を重視する考え方から、将来の収益力など事業の「存続可能性」の向上に軸足を移す。貸し出しなどの本業が赤字で業績が低迷する地銀に対し、店舗や人員の縮小などの速やかな改革を求める。月内にも公表する。今夏、問題があるとみられる地銀への検査に着手する見通しで、対応が遅れれば業務改善命令を出し、経営責任を明確化する。

 地銀の経営環境は、人口減少や日銀の大規模金融緩和に伴う超低金利の長期化で、収益力低下に歯止めがかからない。金融庁は厳しい経営環境でも存続できるビジネスモデルを構築するよう求めている。

 従来の監督指針では、不良債権問題を念頭に現在の自己資本比率が重要な指標だったが、新指針では将来の自己資本比率や収益力に着目する。自己資本比率が財務の健全性を示す国内基準の4%を上回っていても、本業で赤字を出し続けている地銀には、経営の改善を求める。(共同)