Friday, March 22, 2019 10:22 AM

北朝鮮が連絡事務所撤収 米朝首脳再会談が影響か

 韓国と北朝鮮が昨年9月に開所した北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所から22日、北朝鮮側が撤収した。韓国統一省が明らかにした。事務所では双方の所長らによる定例会議が開かれていたが、2月末の米朝首脳再会談が物別れに終わった後は途絶えていた。非核化交渉の行き詰まりが南北関係にも影響したとみられ、南北の意思疎通を支えた拠点は開所から半年で機能停止に陥った。

 米朝の非核化交渉を巡り、北朝鮮側は交渉中断を警告しており、金正恩朝鮮労働党委員長が今後の対応方針を明らかにするまで、南北間の協議が全面的に停滞する可能性も出てきた。良好な南北関係を基盤に米朝の「仲介役」を自任してきた韓国の文在寅大統領は苦しい立場に置かれた。

 統一省によると、北朝鮮側は22日午前に撤収の意向を伝え「上層部の指示によるもの」と説明。それ以上の理由は明らかにせず、備品などを残した状態で事務所から出て行ったという。(共同)