Tuesday, March 26, 2019 10:11 AM

中国、南シナ海で厳重抗議 首相に「拡散するな」

 安倍晋三首相と西アフリカのブルキナファソ大統領が昨年11月の首脳会談後に発出した共同声明に東シナ海と南シナ海の問題を提起した対応を巡り、中国政府が日本政府に厳重抗議を申し入れていたことが分かった。「中国をけん制するために問題をアフリカまで拡散しようとしており、非友好的だ」と会談直後に伝えていた。複数の日中外交筋が26日、明らかにした。

 日本政府は「南シナ海で国際法を尊重しようというのが声明の趣旨。抗議される理由はない」と反論した。南シナ海問題で水面下の日中の綱引きが続いている。今年1月の施政方針演説で「日中関係は完全に正常な軌道へと戻った」と訴えた首相の発言内容と異なる実態が浮かび上がった。

 首相は昨年11月19日に東京でブルキナファソのカボレ大統領と会談した際、中国を名指しせずに「東シナ海および南シナ海に広がる状況について深刻な懸念を共有した」と明記した共同声明を発表した。(共同)