Friday, March 29, 2019 10:44 AM

企業連合攻防、新局面に 日産、干渉排除へ改革

 企業連合を組む日産自動車とフランス自動車大手ルノーの主導権を巡る攻防が、新しい局面に入った。日産はルノーの干渉を排除する内容を含めた統治機能の改革に着手した。カルロス・ゴーン前会長の事件を受けて設置した「ガバナンス(統治)改善特別委員会」が、会長職廃止や代表執行役の兼務禁止などを27日に提言したためだ。一方、ルノーは日産との経営統合論を再浮上させ、揺さぶりをかけている。

 日産は29日、臨時取締役会を開き、6月末に指名委員会等設置会社へ移行することを目指すと確認。取締役の適任者などを議論する「暫定指名・報酬諮問委員会」の設置も決めた。社外取締役3人で構成し、国内外の別の3人が助言する。

 統治委は、日産の統治を巡る問題点を「ゴーン前会長への人事・報酬を含む権限の集中」だったと指摘した。その上で、権限分散や、執行と監督を分離するため、6月末の指名委員会等設置会社への移行を含め38項目の提言を並べた。ルノー幹部が経営に関与しにくくなる内容も盛り込んだ。(共同)