Monday, April 01, 2019 10:13 AM

新元号「令和」 出典は万葉集、国書初

 政府は1日、臨時閣議を開き「平成」に代わる新元号を「令和」と決定した。4月30日に退位される天皇陛下が改元政令に署名、公布された。皇太子さまが新天皇に即位する5月1日午前0時に施行される。皇位継承前の新元号公表は憲政史上初。出典は現存する日本最古の歌集「万葉集」で、中国古典でなく国書(日本古典)から採用したのは確認できる限り、初めて。閣議決定後、宮内庁を通じて天皇陛下と皇太子さまに新元号を報告した。政権幹部によると、原案は六つだった。

 新元号は菅義偉官房長官が記者会見で発表。典拠は「初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香(初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす)」。安倍晋三首相は会見で「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められている」と述べた。

 令和は「大化」(645年)から数えて248番目で、1979年制定の元号法に基づく元号としては「平成」に続いて2例目となる。政府は施行に向け、国民への周知作業に着手した。情報システムの改修も急ぐ。

 改元は天皇一代に一つの元号とする「一世一元」制が採用された明治以降、天皇逝去に伴う皇位継承時に行われてきた。今回は退位特例法に基づき、逝去によらない改元となる。(共同)