Thursday, April 04, 2019 10:20 AM

ゴーン前会長4回目逮捕 5.6億円特別背任疑い

 日産自動車のカルロス・ゴーン前会長(65)が中東オマーンの販売代理店に支出された日産の資金を流用し、自分が実質的に保有するレバノンの投資会社に送金させて約5億6300万円の損害を与えたとして、東京地検特捜部は4日、新たな会社法違反(特別背任)の疑いで、ゴーン容疑者を再逮捕した。逮捕は4回目。ゴーン容疑者は最初の逮捕から108日間にわたり身柄を拘束され、3月に保釈された。特捜部の事件で保釈後に再び逮捕されるのは異例。

 レバノンの投資会社の設立・運営に、ゴーン容疑者の知人だった現地の弁護士(故人)が関わっていたことも、関係者への取材で判明。オマーンの代理店幹部も同容疑者の知人で、特捜部は送金ルートを「身内」で固めることで不正の発覚を免れる狙いがあったとみて実態解明を進める。

 ゴーン容疑者の弁護人の弘中惇一郎弁護士によると、特捜部は4日、保釈後にゴーン容疑者が入居した東京都内のマンションを家宅捜索し、本人の日記や妻の携帯電話を押収。ゴーン容疑者は再逮捕容疑をはっきり否定しているという。弘中氏は11日に記者会見を開く予定であることを念頭に「一種の口封じだ」と検察を批判した。(共同)