Friday, April 05, 2019 10:18 AM

埋め立て承認撤回「違法」 辺野古工事で国交相裁決

 石井啓一国土交通相は5日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設を巡る不服審査請求で、審査を申し立てた防衛省沖縄防衛局の主張を認め、県による辺野古沿岸部の埋め立て承認撤回を取り消す裁決を下した。昨年10月に撤回の効力を一時停止したのに続く判断。今回は「県の撤回は違法」とし、国が進めている工事の正当性を認めた。県は裁決を違法だとして、取り消しを求め提訴する方針を固めた。

 裁決について玉城デニー知事は「いわれは全くなく、毅然と対応する」と反論するコメントを出した。国交相が沖縄防衛局の申し立てを審査したことには「選手と審判を同じ人物が兼ねているようなもので『自作自演』だ。結論ありきだ」と批判した。

 裁決書は「普天間飛行場の危険性除去を考えると(埋め立て承認を)容易に撤回することはできない。経済的な不利益も重大だ」と指摘した。沖縄防衛局に同日裁決書を発送し、6日とみられる到着時点で効力が発生する。石井氏は記者会見で「法に基づき適正に判断した」と話した。(共同)