Monday, April 15, 2019 10:36 AM

プールの核燃料、搬出開始 4年遅れ、第1原発3号機

 東京電力は15日、福島第1原発3号機の原子炉脇にある使用済み核燃料プールからの燃料搬出作業を始めた。炉心溶融(メルトダウン)を起こした1〜3号機のプールからの搬出は初めて。当初目標から4年以上遅れてようやく作業開始となった。3基のプールには大量の使用済み燃料が保管されたままで、廃炉を進める上で大きな障害となっており、安全確保に向けた一歩。月内に未使用燃料7体を構内の別のプールに運び入れる。

 これまで関連機器で不具合が相次ぎ、今後も想定通りに作業が進まない恐れがある。燃料は別のプールで数年保管した後、金属製の容器に入れて保管設備に移すとしているが、最終的にどこに持っていくかは未定。30〜40年で完了する目標の廃炉の行く末は見通せない。

 この日は3号機とは別の場所にある遠隔操作室で、協力企業の担当者が燃料取扱機を使い、未使用燃料4体を輸送容器に収納した。2体目を輸送容器に入れる際、装置が燃料のハンドルに引っかかって一時離れなくなったが、調整し解決した。16日も作業を継続する予定で、計画している計7体を輸送容器に収納した後は、ふたをして密閉し、トレーラーで運ぶ。(共同)