Monday, April 15, 2019 10:38 AM

中国含む多国間がカードに 日本、米との貿易交渉で

 日本は15日、米国との新貿易交渉の初協議に臨む。貿易赤字の縮小を目指すトランプ政権は、日本との2国間交渉で厳しい要求を突き付けてくる可能性があるが、日本は中国を含む多国間の自由貿易の枠組みを外交交渉のカードとして、少しでも優位に協議を運びたい考えだ。

 日本は14日、中国との閣僚級による「ハイレベル経済対話」で、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)や、日中韓の自由貿易協定(FTA)の交渉の推進を確認。「多角的自由貿易体制や地域協力の重要性について意見交換した」(政府関係者)として、日本は2国間ではなく多国間の交渉を重視する立場を改めて強調した。

 保護主義的な姿勢を強め妥協を許さないトランプ米大統領の強硬攻勢にさらされている点で、日中が置かれている立場は共通だ。米中の貿易協議は今月上旬に閣僚級協議が開かれたが、対中制裁関税の撤廃時期などで折り合えず、最終決着は見通せていない。(共同)