Friday, April 26, 2019 10:14 AM

悪影響の払拭狙う 日本、WTOへの反論で

 日本は世界貿易機関(WTO)の紛争処理システムに疑問を投げ掛けた。韓国の水産物禁輸で確定した敗訴は覆ることはないが、国際社会に日本産食品の安全性をアピールし、悪影響を少しでも払拭する狙いとみられる。米国もWTOに不満を募らせており、組織改革ができなければ機能不全に陥る恐れも出てきている。

 韓国の日本の水産物に対する禁輸をWTOの上級委員会は容認したが、韓国の措置が整合的だとも明示しておらず、日本の食品の安全性も否定していない。政府内では「あいまいな判断だ」との不満がくすぶる。

 東京電力福島第1原発事故を起因とする日本の農産品に対する規制は、現在も23カ国・地域が続けている。政府関係者には「敗訴で規制の緩和交渉は難航する」との懸念が強い。WTOが踏み込んだ判断をしなかったことを問題視することで、日本の正当性を訴える構えだ。(共同)