Monday, April 29, 2019 10:14 AM

陛下30日退位、平成に幕 象徴追求、30年余り

 天皇陛下は30日限りで、陛下一代限りの退位を認める皇室典範特例法に基づき、皇位を退かれる。現憲法下で初めて即位した陛下は、皇后さまと共に憲法に規定された「国と国民統合の象徴」のあるべき姿を追求してきた。退位後は全ての公的な活動から身を引き、上皇となる。5月1日午前0時に皇太子さまが即位し、戦後生まれの初めての天皇が誕生する。30年余り続いた「平成」が終わり「令和」に改元される。

 これに先立ち、30日夕から皇居・宮殿で代替わりの重要儀式「退位礼正殿の儀」に臨み、最後の「お言葉」を述べる。天皇の退位は江戸時代の光格天皇以来202年ぶりで憲政史上初。

 1989年1月7日、昭和天皇が亡くなったことに伴い55歳で即位した陛下は現在85歳。2016年8月8日に公表したビデオメッセージで、高齢となった天皇が象徴としての活動を全身全霊でできなくなった場合、どうするべきかを国民に問い掛け、退位の意向を強くにじませた。皇室典範は終身在位を規定しているため、陛下の退位を可能にする特例法ができる契機となった。(共同)