Monday, April 29, 2019 10:16 AM

早期釈放を、戦犯切に 巣鴨プリズンからの手紙

 一日も早い釈放を望みますー。太平洋戦争の戦犯として巣鴨プリズン(東京都豊島区)に収監された人々が故郷に宛てた手紙2通が、宮崎市の民家に残されている。行く末への不安がまざまざと伝わり、専門家は「戦犯が釈放を願う切実な様子がよくうかがえる」と指摘している。

 手紙は今年1月、宮崎市原町の横山茂生さん(90)が、家族と昔話をしていて存在を思い出したという。横山さんは地元青年団体の会長だった1952年9月、巣鴨プリズンを訪れ宮崎県出身の戦犯を慰問。その後手紙2通と、プリズン内で発行していた所内紙「週報」が自宅に届けられた。

 1通は「巣鴨拘置所内 宮崎県人会」からで、いずれもBC級戦犯とみられる18人の名前を記載。慰問への感謝を述べ「従来の米国の行方を見ますと、私どもが心から切望する全面的釈放が実現するか、甚だ疑問」とつづっている。(共同)