Thursday, June 23, 2016 6:13 PM

参院選序盤情勢 順風与党、野党に焦り

 共同通信社が実施した参院選の序盤調査で、憲法改正勢力が参院3分の2議席をうかがう情勢が判明した。順風の自民、公明両党はアベノミクスの「実績」を前面に出して改憲の争点化を避ける戦術が奏功していると安堵し、揺り戻しを警戒。焦る民進党は劣勢を逆手にとり「改憲が現実味を帯びた」と危機感を訴える構えだ。ただ「具体論は選挙後」とすれ違う与党側を土俵に乗せる妙案は見えない。

 「選挙が近づくと『争点でない』と言う。だまされるわけにはいかない。安倍さんは必ず力で押し切ってくる」。民進党の岡田克也代表は23日、神奈川県での街頭演説で真っ先に憲法問題を取り上げ、安倍晋三首相が選挙後に9条改正を仕掛けると警鐘を鳴らした。

 改憲勢力の3分の2議席阻止を最低限の目標に据える岡田氏。21日には「この選挙に全ての責任を負う」と語っており「背水の陣」が鮮明となってきた。民進党の枝野幸男幹事長は記者団に「半年前に比べ、明らかに空気は変わってきている」と述べ、野党共闘路線を加速させると力を込めた。(共同)