Monday, April 29, 2019 10:18 AM

WTOの紛争処理協議へ G20で、首相「改革必要」

 安倍晋三首相は28日(日本時間29日未明)、世界貿易機関(WTO)の紛争処理の在り方を見直す必要があるとして、6月に大阪で開く20カ国・地域(G20)首脳会合で協議する考えを表明した。カナダのトルドー首相との会談後の共同記者会見で「紛争解決が機能するよう改革することが不可欠だ。G20各国と建設的に議論したい」と述べた。韓国による福島など8県産水産物の輸入禁止措置をWTOが容認した判断が背景にある。

 韓国の規制に対するWTOの判断には米国、欧州連合(EU)、中国などG20各国からも、26日にジュネーブで開かれた会合で疑問の声が相次いだ。一方、韓国もG20のメンバーで、首脳会合で紛争処理が焦点の一つとなる可能性が出てきた。

 首相は会見で「韓国の輸入規制についての判断を巡っては、WTO加盟国からも妥当性を問題視する声が上がっている」と指摘。自由貿易の重要性が高まる中、WTOの役割はますます重要として「改革が必要だ。G20議長国として改革の進展に貢献する決意だ」と訴えた。(共同)