Friday, May 03, 2019 10:07 AM

10月即位儀式機に恩赦 政府検討、小規模実施か

 天皇陛下の即位に伴う10月の「即位礼正殿の儀」に合わせ、政府が恩赦を実施する方向で検討していることが3日、関係者への取材で分かった。恩赦は裁判で確定した刑罰を免除したり、失った資格を回復させたりするもので、実施されれば1993年の天皇陛下と皇后さまの結婚以来26年ぶり。ただ政治利用との批判があり、被害者や遺族の感情にも配慮するため、対象は軽微な犯罪に限り、小規模にとどめるとみられる。

 恩赦は国家的な出来事や皇室の慶弔に合わせて実施するのが通例。過去には56年の国連加盟、72年の沖縄復帰のほか、59年の上皇さまの結婚、89年の昭和天皇大喪、90年の上皇さまの天皇即位などで実施している。

 政府は今回の恩赦について、選挙違反で停止された公民権の回復が多い過去の事例を踏まえ、今年の統一地方選や参院選に伴う選挙違反の状況も考慮するもようだ。一方、憲政史上初めてとなった天皇退位に合わせた実施は見送りとした。(共同)