Tuesday, May 07, 2019 10:20 AM

フェルメールの自筆出現 独で修復、元の姿取り戻す

 ドイツ東部ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館は7日、17世紀のオランダ絵画の巨匠ヨハネス・フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」について、別人が後に上塗りした箇所を除去し、フェルメール自身が描いた当初の状態を一部復元することに成功したと発表した。画面上部にはオリジナルのキューピッドの上半身が姿を現した。

 窓辺で手紙を読む女は室内に立って手紙を読む女性を描いた作品で、女性の背後には壁が描かれていた。1979年のエックス線撮影以降、壁の下に裸のキューピッドが描かれていることは知られていたが、フェルメールがキューピッドを描いた後、自ら壁を上塗りしたと考えられてきた。

 しかし、その後の調査で、フェルメールの死後、別人が上塗りしたことが判明し、この箇所の復元のほか表面の黒ずんだニス層の除去など全体の修復作業が進められていた。現在も作業中で、終了までに1年以上かかるという。(共同)