Wednesday, May 08, 2019 10:28 AM

北極評議会、共同宣言なし 気候変動言及で米が抵抗

 フィンランド北部ロバニエミで7日、米露など8カ国が北極の開発、環境保護を協議する「北極評議会」の閣僚会合が開催された。ロイター通信などによると、通常、閉幕時に採択する共同宣言を巡り、気候変動に言及することに米国が抵抗。共同宣言の発表が見送られる初めてのケースとなった。

 代わりに短い閣僚声明を発表。北極圏での平和や安定、協力促進への決意を再確認した上で、先住民らの権利、地域社会や経済などの多様性を認める必要があると強調したが、気候変動には一切言及しなかった。ロイターは会合出席者の話として、米国を除く加盟国がより踏み込んだ声明内容とすることを望んでいたと伝えた。

 議長国フィンランドのソイニ外相は議長声明で、大多数の加盟国が気候変動を「北極圏が直面する根本的問題」と位置付けており、対策が急務だと認識していると指摘した。公害防止や生物多様性の保全などに向け国家レベルの努力や協力が欠かせないと強調した。(共同)