Thursday, May 09, 2019 10:14 AM

「大欧州」結束の維持確認 英除く27首脳、宣言採択

 英国を除く欧州連合(EU)の27加盟国は9日、ルーマニア中部シビウで非公式首脳会議を開いた。英国の離脱を前提に、EUの結束や民主主義を守ることなどを確認する宣言を採択し、今月下旬の欧州議会選に向け、EUが欧州の安定と繁栄の基盤だと訴えた。地球温暖化対策や移民問題など今後5年の戦略課題についても協議。

 旧東側諸国を含む10カ国が加盟した2004年の「大欧州」実現から今月で15年。ポーランドやハンガリーなど東欧諸国の政権が強権支配を強め、東西の溝が目立つ中、EUは英国離脱を機に共通の価値観や原則の維持を改めて図る。

 会議では、今秋で5年間の任期が終わるユンケル欧州委員長、トゥスクEU大統領らの後任選出の在り方を巡っても協議。欧州議会の主要政党は政党主導の候補者選びを主張し、次期欧州委員長候補を示しつつ選挙戦を展開しているが、各国首脳は「決定権を持つのは首脳会議」としている。(共同)