Friday, May 24, 2019 10:13 AM

親の体罰禁止法案、成立へ 衆院委、全会一致で可決

 衆院厚生労働委員会は24日、親の「しつけ」名目での体罰を禁止する児童虐待防止法と児童福祉法の改正案を全会一致で可決した。野党が提出していた対案の一部を政府案に取り込み、与野党が修正案を共同提出した。法案は28日にも衆院本会議で可決され、参院に送付される。与野党が足並みをそろえたことから、今国会で法改正が実現することが確実となった。

 昨年3月に東京都目黒区で船戸結愛ちゃん=当時(5)、今年1月に千葉県野田市で栗原心愛さん=当時(10)=が死亡するなど悲惨な事件が相次いだことを踏まえた法改正。罰則はないものの、家庭内での体罰禁止に踏み込んでおり、しつけの在り方を見直すきっかけとなりそうだ。

 親権者に必要な範囲で子どもを戒めることを認めている民法の懲戒権について、野党は早急な見直しを求めていたが、安倍晋三首相は24日の質疑で「徹底的に議論し、適切な結論が得られるよう全力で取り組む」と答弁し、来年4月に改正法が施行されてから2年をめどに検討するという姿勢を変えなかった。(共同)