Thursday, May 30, 2019 10:39 AM

トランプ氏の潔白確信できず ロシア疑惑、特別検察官初声明

 米政権のロシア疑惑で、捜査を指揮したモラー特別検察官は29日、司法省で声明を発表し、トランプ大統領が疑惑捜査に介入した司法妨害の疑いについて「大統領が明白に罪を犯さなかったとの自信が私たちにあれば、(捜査報告書で)そう指摘していただろう」と述べ、潔白が確信できなかったとの立場を示した。モラー氏は捜査終結に伴う退任を表明。民主党のペロシ下院議長はトランプ氏の責任を議会で追及する構えだ。

 モラー氏が2年前に特別検察官に任命された後、公の場で捜査について発言したのは初めて。ワシントンの司法省で記者らを前に声明を読み上げ、現職大統領の訴追は司法省の指針により、元々選択肢になかったと説明。その上で「憲法は大統領の過ちを追及するために刑事司法制度以外の手続きを求めている」と言及し、議会は行動できると示唆した。ただ、民主党が求めた議会証言には消極的な姿勢を示し「捜査報告書が私の証言だ」と述べた。

 トランプ氏は、モラー氏の声明発表後「十分な証拠がなければ、わが国では潔白だ。事件は終わった」とツイッターで主張した。(共同)