Tuesday, June 04, 2019 10:57 AM

中東和平案、早くも懐疑論 米、失速回避へ予防線

 中東和平の仲介を目指すトランプ政権が今月下旬の国際会議で一部公表する見通しの和平案に、早くも懐疑論が強まっている。政権がイスラエルへの肩入れを続け、パレスチナ側が会議をボイコットする姿勢を取っているためだ。政権内でも公表直後に行き詰まるとの悲観的な見方があり、失速を避けるために予防線を張る動きも出ている。

 米メディアによると、ポンペオ国務長官は5月28日、ユダヤ系有力者らとの非公開会合で、和平案について「事態を打開できる保証はない」「実行不能と言われるかもしれない」と吐露。既に和平案が賛同を得られない場合の対応も検討しているとして、全ての当事者に真剣に関わってほしいと訴えた。

 米政権は今月25〜26日にバーレーンで国際会議を開き、和平案のうち経済に関連する部分を公表する見通し。だが、パレスチナの不参加に加え、イスラエルのネタニヤフ首相が組閣に失敗、9月に再選挙が行われることになったことで、領土問題を含む肝心の政治面の提案はさらに難しくなっている。(共同)