Monday, June 10, 2019 10:18 AM

首相、老後2000万円で釈明 「報告書は誤解与えた」

 安倍晋三首相は10日の参院決算委員会で、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とする金融庁金融審議会の試算について「不正確で、誤解を与えるものだった」と釈明した。立憲民主党の蓮舫氏は、2004年の年金制度改革の際、政府が掲げた「100年安心」に疑義が生じたと追及。「国民はうそだったと怒っている」と迫った。首相は「そうではない」と反論し、年金制度の持続性を巡り応酬となった。

 首相や全閣僚が出席して広範な課題をテーマに本格的な国会論戦が行われるのは、4月4日の同委員会以来、約2カ月ぶり。首相は、公的年金の積立金運用益が6年間で44兆円に上ったとして「公的年金の信頼性は、より強固なものとなった」と明言。「将来の世代も含め、皆さんに安心してもらえる制度になっている」と強調した。

 共産党の小池晃氏は「年金を当てにするな、自己責任で貯金せよというのは国家的詐欺に等しいやり方だ」と首相を非難。今後も年金削減が進むとし「今の現役世代が年金受給者になった時に必要な貯金は2000万円では済まない」と訴えた。(共同)