Wednesday, June 12, 2019 10:18 AM

対米関税、一気に削減も 先行TPPに合わせ農産物

 政府が日米貿易交渉で、米国に対する牛肉や豚肉などの農産物関税を、先行している環太平洋連携協定(TPP)に合わせて一気に引き下げる案を提示する方針であることが12日、分かった。日米の貿易協定がいつ発効してもTPP参加国と関税が同じになるため、後れを取っていた米国にとっては日本への農産物の輸出条件で挽回できる。日本は見返りに自動車分野などで譲歩を求める方針だ。

 日米両政府は11日、2日間にわたったワシントンでの貿易交渉の事務レベル協議を終えた。農産物や工業製品の関税分野でお互いの立場を確認し合い、現状の論点を整理した。12日に事務レベルの非公式協議を実施し、13日には茂木敏充経済再生担当相とライトハイザー通商代表が閣僚協議を行う。協議の進展次第では、この案を提示する可能性がある。

 例えば日米の交渉がTPP並みの関税水準で決着して来年度に発効した場合、米国が対日輸出で重視する牛肉などに対し、本来のTPP発効1年目の関税を適用せず、一気に3年目の関税を適用する。TPPでは原則として発効から年がたつにつれて関税削減幅は大きくなるが、その後のスケジュールも同じ条件にするとの内容だ。(共同)