Thursday, June 13, 2019 10:27 AM

日本のタンカーに砲撃 イラン沖ホルムズ海峡付近

 イラン沖のホルムズ海峡近くで13日朝(日本時間同日昼)、東京都内の海運会社「国華産業」が運航するタンカーと台湾の石油大手、台湾中油のタンカーが攻撃を受けた。両社が発表した。国華産業のタンカーは砲弾を受け、2隻とも火災が発生した。日本人は乗船していなかった。国華産業のタンカーの乗組員はフィリピン人21人で、救命艇で避難しアラブ首長国連邦(UAE)に向かった。安倍晋三首相のイラン訪問中に起き、日本政府などは確認作業を急いでいる。何者が攻撃したのか不明。イラン政府は関与を否定した。

 安倍氏は情報収集と乗組員の安全確保に万全を期すよう指示した。世耕弘成経済産業相は「現時点で日本のエネルギー供給に問題はない」としたが、ニューヨークの先物相場では原油価格が高騰した。シンガポールの船舶管理会社によると、国華産業のタンカー乗組員1人が軽傷を負った。国華産業は負傷者はいないとしている。台湾中油の乗組員は23人全員が無事だった。

 イランを巡ってはトランプ政権やサウジアラビアとの対立激化で緊張が高まっており、安倍氏は仲介のため訪問中だった。産油国に囲まれたホルムズ海峡はエネルギー供給の大動脈で、これまでも中東の緊張が高まると、タンカー攻撃があり、封鎖の警告が繰り返されてきた。中東情勢は一層混迷が進みそうだ。(共同)