Friday, June 14, 2019 10:15 AM

「イラン関与」明言せず 政府、米国務長官と一線

 菅義偉官房長官は14日の記者会見で、ホルムズ海峡でのタンカー攻撃にイランが関与したと断じたポンペオ米国務長官の発言を巡り、日本として同調するかどうか明言を避けた。「予断を持って発言することは控えたい」と述べ、米国の立場と一線を画した。政府は引き続き事実関係の確認を急ぐ。イランを初訪問したばかりの安倍晋三首相は、米国とイランの間で対応に苦慮しそうだ。

 米国の関与を訴えるイラン側の言動も、日本政府は注視している。自らは関わっていないと反論するイラン政府の説明を丁寧に聞き、状況把握に努める。米国とイランが対立を深める中、明確な態度を内外に表明できるかどうかが課題になる。

 菅氏は会見で、タンカー攻撃への見方に関し「まだ情報収集中だ」と述べるにとどめた。外務省幹部は、首相とイラン最高指導者ハメネイ師の会談と同じ日に攻撃されたことに言及し「相当な知識、技術、能力を持った国にしかできない」と記者団に語った。米国の関与は考えられるかとの問いには応じなかった。(共同)