Tuesday, June 25, 2019 10:39 AM
日露、共同声明見送り 領土交渉仕切り直しへ
日本、ロシア両政府は、大阪市で29日に開く首脳会談で、北方領土問題を含む平和条約締結交渉の成果に関する共同声明を策定しない方針を固めた。外相間など実務協議で領土交渉が進展せず、北方四島での共同経済活動の開始についても合意は難しいと判断した。安倍晋三首相はプーチン大統領とのトップ会談で領土交渉の仕切り直しを目指す。政府筋が25日、明らかにした。
プーチン氏の来日は2016年以来となる。首相は当初、4島のうち歯舞群島、色丹島の返還で平和条約を結ぶ「2島決着案」で大筋合意し文書策定も念頭に置くシナリオを描いたが、譲歩は得られなかった。次善の策とした日ロの共同経済活動について、事業開始の前提となる双方の主権主張を害さない「特別な制度」の創設に関する協議が進まず、首脳会談までには妥結点を見いだせない情勢となった。
外務省幹部は「共同声明を出せる交渉状況ではなく、策定作業もしていない」と明言。ロシア側が意欲を示すサハリン州と北海道の間に限り短期滞在の査証(ビザ)を相互免除する案も、日本側は技術的に難しいとの立場で、一致点は見えていない。(共同)
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