Friday, June 28, 2019 10:27 AM

無給医2000人、50大学病院 雇用契約なく労災未加入も

 文部科学省は28日、労働として診療を行っているのに給与が支払われない「無給医」が、50の大学病院に計2191人いたと発表した。調査対象とした医師約3万2000人の7%に上るが、まだ各大学が精査中の医師が1304人いて、人数がさらに増える可能性がある。無給医の多くは雇用契約を結ばず、労災保険も未加入だった。

 文科省は同日、病院を持つ全国99国公私立大の学長に適切な労務管理を求める通知を発出。各大学は給与の支払いや雇用契約の締結を進める。

 大学病院には、教育を受ける大学院生のほか、自己研さんや研究目的の医師が在籍し、その一環で診療に携わる場合には給与を支払わない慣習が広く存在。調査では、診療のローテーションに組み込まれていた場合などを実質的な労働だったとし、給与の支払いがない医師を無給医とした。判断は各大学が専門家らに相談して行った。(共同)