Friday, June 28, 2019 10:28 AM

無保険の恐れ認識し勧誘か 乗り換えでも営業成績

 かんぽ生命保険の不適切な販売問題で、既存の顧客に対し、健康状態の悪化などで再契約できずに無保険になる恐れのあることを認識しながら新しい保険への乗り換えを勧めていた疑いが強いことが28日、共同通信社の入手した販売マニュアルで分かった。無保険のリスクを明記しながらも、乗り換えを営業成績として認めており、問題の温床になったとみられる。

 マニュアルはかんぽ生命が販売委託先である全国の郵便局に配っていた。過疎地域では新規契約の獲得が難しいことを背景に、乗り換えで契約額を伸ばそうとする強引な営業が常態化していた可能性がある。

 関係者によると、大手生保が既存契約の解約を伴う乗り換えに応じるのは、払い込んだ保険料の一部が戻ってくる解約返戻金をもらいたいといった顧客の強い要望がある場合だけで、極めてまれという。応じる場合でも、無保険にならないように、乗り換え契約の申し込みが審査を通ってから既存契約を解除する。しかし、かんぽ生命は既存契約の解除後に乗り換え契約の申し込みを審査することが多かった。(共同)