Friday, June 28, 2019 10:30 AM

米中貿易摩擦に懸念噴出 G20開幕、景気リスク共有

 先進国と新興国の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が28日大阪市で開幕し、初日の討議を終えた。議長の安倍晋三首相は、世界経済は減速リスクが大きく「必要な行動を取るのがG20の責務だ」と強調。各国からは米中貿易摩擦への懸念が噴出し、景気認識を共有した。環境では、各国が「2050年までにプラスチックごみの海への流出をゼロにする」との目標に合意する見通し。一方、関連行事では国境を越えた自由なデータ流通を実現させる協議の開始を首相が宣言した。

 G20サミットの日本開催は初めて。招待を含めると37の国や地域、機関が参加し、首相が各国首脳らと握手を交わして出迎えた。ただ貿易などで各国の立場の違いは大きく、29日午後の首脳宣言でどこまで成果を明確にできるかが焦点になる。

 首相は貿易や、中東情勢などの地政学を巡る「緊張は増大している」と指摘。「貿易制限的な措置の応酬はどの国の利益ともならない」として「自由、公正、無差別な貿易体制」を堅持する強いメッセージを示す重要性を唱え、意見交換後に「G20が成長をけん引していくべきだとの共通認識ができた」と総括した。(共同)