Monday, July 01, 2019 10:31 AM

濃縮ウラン貯蔵上限を超過 イラン、核合意履行停止で

 イランのザリフ外相は1日、低濃縮ウランの貯蔵量が核合意で定められた上限を超過したと明らかにした。国営メディアが報じた。5月に発表した合意の一部履行停止方針を実行に移した。2015年に結んだ核合意の履行が確認されて以降、低濃縮ウラン貯蔵量が上限を超えるのは初めて。イランは7日以降、濃縮度を核兵器級のウラン製造が容易になるとされる20%まで高める選択肢もあると警告している。

 核合意を離脱した米国はイランの段階的な核開発拡大の方針に反発。米国の制裁やイランによる米無人機撃墜で高まった両国の緊張が一層激化する恐れがある。英国、フランス、ドイツなどの核合意当事国は、イランに履行を求めて合意存続の道を探るとみられる。

 イランは5月8日、米国の離脱と制裁に対抗して、低濃縮ウラン貯蔵量の上限300キロ(六フッ化ウラン換算)を順守しないなど一部履行停止を表明。7月7日の期限までに原油輸出や銀行取引で欧州などの支援がまとまらなければ、濃縮度の上限3・67%を無視し濃縮を進めるとしていた。(共同)