Monday, July 01, 2019 10:32 AM
「再選第一」鮮明に 世界振り回すトランプ外交
大阪での米中、板門店での米朝首脳会談をはじめ、トランプ大統領の今回の日韓歴訪は、トランプ外交が来年の大統領選での再選を最優先する「再選第一」の行動原理で進んでいることを鮮明にした。選挙本番の来秋にかけて世界は大きく振り回される。内外のメディアが注目した米朝会談。「歴史的だが、中身のない政治ショー」との批判が支配的だが、停滞する非核化交渉の「息を吹き返させる」(米ナショナル・インタレスト誌)との前向きな評価も一部にはある。
北朝鮮問題は大統領選の重要争点とは言えないが、大統領が直接関与して状況が改善したとアピールしやすい分野。歴代政権、とりわけオバマ前政権との「違い」を強調するのもトランプ氏の常とう手段だ。今回の歴訪時にも記者団に、オバマ政権の北朝鮮政策をこき下ろす場面が目立った。今後の再選戦略の中で「旧政権との違い」を強調するあまり、トランプ政権が北朝鮮との安易な妥協に踏み出さないか注意が必要だ。
同様の懸念は他の問題にも当てはまる。日本を慌てさせた日米安全保障条約の見直し発言。もともとは2016年の前回大統領選の選挙戦以降、トランプ氏が繰り返していた主張で、中身は新しくなかった。(共同)
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