Wednesday, July 03, 2019 10:44 AM

ロシア、INF条約の履行停止 米交渉に引き出す狙い

 ロシア大統領府は3日、プーチン大統領が米露間の中距離核戦力(INF)廃棄条約の効力を一時停止する法律に署名したと明らかにした。即日発効した。8月2日にINF廃棄条約を正式に破棄する予定の米国に先駆け、条約履行を停止した。

 法律は「ロシアによる履行再開は大統領が決定する」と定めており、再び効力を持つ余地を残している。米国を軍縮・軍備管理交渉の場に引き出す狙いがあるとみられる。

 ロシアは、米国による弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約の脱退、INF廃棄条約の破棄など一方的な動きが両国間の戦略的安定、世界の安全保障体制を破壊していると批判。特に、2021年2月に期限が切れる米露の新戦略兵器削減条約(新START)について「延長の用意がある」と表明、米国に交渉を呼び掛けている。(共同)