Monday, July 08, 2019 10:35 AM

氏名公表、統一基準求める 災害時の死者・不明者

 全国知事会の危機管理・防災特別委員会(委員長・鈴木英敬三重県知事)は8日、災害の死者、安否不明者の氏名公表について、国に全国統一の基準策定を求める提言案をまとめた。現在は各自治体の判断に委ねられ、効率的な捜索を優先するか、プライバシー保護を重視するかによって運用が異なっている。23日から富山市で開く全国知事会議で正式決定する。

 政府は昨年7月に「統一的な基準を定めることは考えていない」との答弁書を閣議決定しているが、内閣府の担当者は「正式に提言を受けてから対応を考えたい」としている。

 国の防災基本計画は、死者と不明者の数は「都道府県が一元的に集約する」としているが、氏名の公表に関する規定はない。昨年7月の西日本豪雨では当初、県によって対応が分かれた。岡山県は安否不明者の氏名を早い段階で公表し、住民からの情報で消防の捜索範囲が絞り込まれた。(共同)