Friday, July 12, 2019 11:00 AM

かんぽ生命が保険営業自粛 不正販売で顧客対応に専念

 かんぽ生命保険で不正販売が判明した問題で、かんぽ生命と日本郵便が保険商品の営業自粛を始めたことが12日、分かった。積極的な勧誘をしないよう日本郵便の副社長が社内に指示。訪問や電話による勧誘を自粛する。当面の期間は、8月末までとする。保険料の二重払いや無保険に関する問い合わせが相次いでおり、顧客対応に専念する。当初は営業を継続する方針だったが、問題の拡大を受け、自粛に追い込まれた。

 終身保険や養老保険、学資保険など全商品が対象。自粛期間はさらに長引く可能性もあり、経営に打撃となりそうだ。日本郵便は郵政民営化法で保険販売を義務付けられており、顧客から要望があれば販売する。提携するアフラック生命保険の商品の取り扱いは未定だが、アフラックの新契約の4割が郵便局での販売。自粛対象になればアフラックの経営にも影響が出るのは避けられない。

 かんぽ生命と日本郵便の営業社員の給与は、保険の販売実績に応じて配分される割合が大きい。自粛によって、給与減は避けられない見通しとなるため、会社と労働組合が一時的な給与補填についての交渉に入った。(共同)