Thursday, July 18, 2019 10:29 AM

アジア、EU向け輸出減少 米中摩擦で影響長期化も

 財務省が18日発表した2019年上半期(1〜6月)の貿易統計(速報、通関ベース)は、中国を含むアジアや欧州連合(EU)向けの輸出が軒並み減少した。世界経済の重しとなっている米中貿易摩擦は、6月の米中首脳会談でも具体的な進展はなく、影響が長期化する恐れもある。

 上半期の輸出額は前年同期比4.7%減の38兆2404億円となり、暦年半期ベースで16年下半期(7〜12月)以来、5期ぶりに減少した。集積回路(IC)や自動車部品が不調で中国が8.2%減だったほか、韓国が11.1%減、シンガポールが14.6%減だった。スマートフォンや自動車のサプライチェーン(部品の調達・供給網)は国境を越えて形成されており、中国経済減速の影響がアジア全域に波及している。

 米中摩擦は中国への依存度が高い欧州向けの輸出にも影を落とす。域内最大の貿易相手国であるドイツ向けは2.9%減となり、フランスが4.1%減、イタリアも2.7%減に沈んだ。(共同)