Friday, July 19, 2019 10:24 AM

越、「対トランプ」苦慮 米中摩擦で恩恵

 ベトナムが経済関係を巡りトランプ政権との間合いに苦慮している。長期化する米中貿易摩擦の恩恵を受けた“勝者”とみなされ、トランプ政権からの風当たりが厳しくなっているためだ。米国による対中制裁関税回避のため、企業が生産拠点を中国から、人件費が比較的安く体制も安定したベトナムに移していることが背景にある。ベトナム政権は米国に協力する姿勢を強調し、防戦に懸命になっている。

 米側の統計によると、米国はベトナムとの1〜5月のモノの貿易収支が215億9000万ドル(約2兆3200億円)の赤字で、赤字額は国別で5位。米国の輸入は258億4000万ドルと前年同期比で3割以上伸びた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)が米国の1〜3月の輸入動向を分析したところ、携帯電話の中国からの輸入が前年同期比3割減だったのに対し、ベトナムは同3倍近くに伸びた。韓国のサムスン電子が携帯電話の生産拠点を中国からシフトしたことが主因とみている。(共同)