Monday, July 22, 2019 10:22 AM

天野IAEA事務局長死去 福島原発事故対応に尽力

 国際原子力機関(IAEA)は22日、天野之弥(あまの・ゆきや)事務局長が18日に死去したと発表した。72歳だった。神奈川県出身。天野氏は唯一の被爆国出身の事務局長として、2011年の東京電力福島第1原発事故を総括する最終報告書をまとめ、教訓を生かした原発の安全強化を推進。イラン核合意に貢献、北朝鮮の核問題にも取り組み「核の番人」と言われるIAEAを率いた。国連関連機関のトップを務める唯一の日本人だった。

 昨年から体調が悪化、今月17日には21年までの任期を途中で辞任する意向を示していることが明らかになっていた。IAEAによると、本部のあるオーストリアの国外で死去、22日に葬儀が執り行われたという。詳しい状況は公表していない。

 IAEAは、天野氏が死去を前に、IAEAの標語である「平和と開発のための原子力」を達成するため、「過去10年間、具体的な成果を出してきたことを誇りに思う」と述べていたことを明らかにした。早期辞任の意向を理事会に伝える書面に盛り込む意向だったという。(共同)