Monday, July 22, 2019 10:23 AM

中国政府に抗議の矛先 香港デモ、対応に苦慮

 香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に反対する若者ら約1000人は21日、中国政府の出先機関の国章を汚すなどし、初めて同国政府に抗議の矛先を向けた。香港政府トップの林鄭月娥行政長官は22日、「刑事責任を厳しく追及する」と表明。習近平指導部の怒りは必至だが、エスカレートする若者の抗議に打つ手はなく苦慮しているようだ。

 「国家主権と安全の尊厳に挑戦し、中国人全ての感情を傷つけた」。中国政府の出先機関「香港連絡弁公室」の王志民主任は、22日の記者会見で「不法な暴徒の行為」と若者らを強く非難した。

 同日付の中国共産党機関紙、人民日報も1面で「中央政府の権威への挑戦は許さない」とする社説を掲載。中国政府の関係部門も一斉に批判談話を発表した。デモ隊の「侮辱行為」を強調し、若者への理解を示す香港世論の反転を図る狙いがあるとみられる。(共同)