Tuesday, July 23, 2019 10:33 AM

EUに渦巻く不信感 次期英首相に硬軟両様

 欧州連合(EU)からの「合意なき離脱」も辞さない英国のジョンソン前外相が、次期首相となる与党保守党の新党首に選出された。EUは英政府と結んだ離脱合意案を再交渉する考えはないとする一方、フォンデアライエン次期欧州委員長は10月末の離脱日延期を認める姿勢を示すなど、次期英政権に対し硬軟両様の構えだ。ジョンソン氏に対し、EU側には不信感も渦巻いている。

 EUは、英側の出方次第では合意なき離脱もやむなしとの空気もあるが、その場合でも衝撃を抑え、「建設的」(フォンデアライエン氏)に英側と協力し、良好な英EU関係を再構築することに希望をつなぐ。ただ、その相手としてジョンソン氏が適当なのかは確信が持てない。

 ジョンソン氏は17日「薫製した魚を移送する際は、EUの決まりでわざわざ氷枕(保冷剤)をつける必要がある」と、事実と異なる演説をした。首相就任を目前にしても、虚偽を交ぜて人々の歓心を買う態度がEU側を失望させた。(共同)