Wednesday, July 24, 2019 10:34 AM

きのこ雲、誇れますか? 米留学先で女子高生訴え

 核産業が経済発展を支えたワシントン州リッチランドに、原爆のきのこ雲をロゴマークにする高校がある。福岡県大牟田市の高校3年古賀野々華さん(18)は同校に留学中の5月、生徒らが愛着を持つロゴに異を唱える動画を発信した。「雲の下にいたのは兵士ではなく市民でした。罪のない人たちを殺すことに誇りを持ってもいいのですか」ー。

 動画はインターネット上で拡散され、反響は世界に広がった。賛同してロゴを批判する人もいれば、原爆投下を容認する意見も。原爆を「誇り」とする町で批判的な声を上げることに不安はあったが、周囲に後押しされ、勇気を振り絞った。

 リッチランドでは1940年代、長崎に投下された原爆の原料プルトニウムが生産され、町の発展をけん引。「原子力の町」と呼ばれ、きのこ雲が町のシンボル的な存在となっていることを、古賀さんは昨年8月に留学した当初知らなかった。(共同)