Monday, July 29, 2019 10:33 AM

抑留者遺骨16人分取り違え シベリア、国の収集事業

 太平洋戦争後に旧ソ連に抑留され、シベリア地域で死亡した日本人のものとして、厚生労働省の派遣団が5年前に収集し、持ち帰った16人分の遺骨について、全ての骨が日本人のものではない、もしくは日本人のものではない可能性が高いとのDNA型鑑定結果が昨年8月に出ていたことが29日、分かった。埋葬地を誤った可能性がある。同省は発表しなかったことについて「鑑定結果の精査や整理に時間がかかった」としている。

 戦没者遺骨の収集事業を巡っては、フィリピンでの事業が「現地住民の遺骨が含まれている」との指摘を受け、2010年から18年まで中断。シベリアでの事業にも問題があることが明らかとなり、厚労省は埋葬地の選定作業などについて見直しを迫られる可能性がある。

 厚労省などによると、同省が職員を派遣し、14年8月にシベリア・ザバイカル地方から持ち帰った遺骨についてDNA型鑑定を実施。同省が昨年8月に開いた戦没者遺骨の鑑定に関する会議で、専門家が、このときに持ち帰られた遺骨のほとんどが日本人のものではないとする結果を示し、取り違えを指摘した。(共同)