Thursday, August 01, 2019 10:13 AM

核ごみ研究用地返還延期へ 坑道埋め戻し環境調査5年

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の地層処分の研究を進める瑞浪超深地層研究所(岐阜県瑞浪市)で、施設用地の市への返還が賃貸借契約期限の2022年1月から5年程度延期される見通しとなったことが1日、分かった。運営する日本原子力研究開発機構は、地下坑道の埋め戻し後に安全確保などのため環境影響調査を続けるとしている。

 坑道や周辺地域が最終処分場になりかねないとの危機感などから、期限通りの返還を求めてきた住民は「時間がたつうち別の目的に長期利用されないか」と改めて懸念する。用地契約は02年に結ばれ研究が続いてきた一方、国内の処分場選定は遅々として進んでおらず、各地で核のごみへの忌避感情は根強い。

 研究所では最深500メートルの坑道で、核のごみを埋めた際の岩盤や地下水への影響を調べている。用地は市有地で、返還の際には原状回復するのが条件。機構は「予定の研究は期限内に終わる」としている。(共同)