Wednesday, August 07, 2019 10:28 AM

日本は核禁止条約支持を 9条評価、韓国と対話促す

 マレーシアのマハティール首相(94)は7日、訪問先の福岡市で共同通信と単独会見し「日本は核兵器で苦しんだ世界で唯一の国だ」と述べ、核兵器禁止条約を支持し、核廃絶を国際社会に強く働き掛けるよう訴えた。日本の憲法9条については「戦争を紛争解決の手段とすることを禁じており、他国も見習うべきだ」と評価し、改正せずに維持するべきだとの考えを示した。

 元徴用工問題で悪化する日韓関係を巡っては「過去ばかりに目を向けていると関係は常に悪いままだ」と指摘。過去の問題で「日本はもう謝罪した」と述べ、「対立せず話し合って解決すれば良い」と両国に促した。

 首相を計20年以上務め「アジアの重鎮」として世界情勢を俯瞰し続けたマハティール氏は、事実上の核保有国であるインドとパキスタンの緊張が高まり、核兵器を使うかもしれない「とても深刻な状況」に陥っていると現状を分析。「日本は核兵器が使われた際の悲惨さを知っている」と強調し、被爆国としての役割に期待した。(共同)