Tuesday, August 27, 2019 10:26 AM

激戦地サイパンで慰霊祭 帰還者会、高齢化で最後

 太平洋戦争中、日米両軍の激戦地となったサイパン島で27日、元島民や遺族らでつくる「南洋群島帰還者会」が戦没者慰霊祭を開いた。今年でサイパン陥落から75年。高齢化に伴う参加者減少のため、50回目の節目となった今回で団体での慰霊訪問は最後となった。

 島北部にある「おきなわの塔」前で実施し、地元関係者も含め150人超が参列。那覇市から訪れた上運天賢盛会長(87)は「各地で悲惨な戦争体験を語り継ぐ活動が続いている。心安らかにお眠りください」と追悼の言葉を述べた。

 サイパン生まれの上運天さんは1944年6月に始まった地上戦で父親と兄、姉らを失った。戦後に沖縄に移り、68年に初めてサイパンを再訪。その後毎年のように慰霊に訪れてきたが、父と姉が亡くなった場所は今も分からないという。(共同)