Thursday, August 29, 2019 10:35 AM

新天守閣、22年完成断念 名古屋城木造復元で市

 名古屋市の河村たかし市長は29日、同市が進める名古屋城天守閣の木造復元を巡り、目標とする2022年12月の新天守完成を断念すると発表した。解体工事のために必要な文化庁の許可を得られず、計画が難航していることなどを理由に挙げ「クリアすべき調査、検討に全力を挙げて取り組む」と述べた。

 河村氏は市役所で記者団の取材に応じ、新たな完成時期について施工業者の竹中工務店や文化庁、有識者らと協議を進めながら決めるとして明言を避けた。その上で「木造復元に向け、全身全霊を傾けていく」と強調し、引き続き計画の実現を目指す考えを示した。

 名古屋城は国の特別史跡で、現状変更には文化庁の許可を得る必要がある。市は当初、解体と復元を一体で申請する方針だったが石垣の保全方法が決まらず、今年4月に解体のみを先行して申請した。6月に開かれた国の文化審議会での許可取得を目指したが審査対象とならず、22年12月の新天守完成は困難な見通しとなっていた。(共同)