Wednesday, September 04, 2019 10:58 AM

英首相、総選挙の意向 議会、EU離脱延期審議

 10月末に予定される欧州連合(EU)離脱を巡り、英下院(定数650)は3日、「合意なき離脱」を阻む離脱延期法案の審議実施を求める動議を賛成多数で承認した。下院は4日に審議入りした。与党の一部も支持に回り、週内にも法案が可決する可能性が高い。離脱強硬派のジョンソン首相は議会での「敗北」を受け、前倒し総選挙を目指す意向を初めて明言、超党派の反対勢力との攻防が一段と緊迫してきた。

 動議採決に先立ち、政権の強硬路線に反発した与党保守党の下院議員1人が離党し、離脱反対の自由民主党に入党。与党陣営は過半数割れし、政権はさらなる窮地に追い込まれた。ジョンソン氏は離脱期日前の10月15日の選挙をもくろんでいるとみられるが、首相の思惑通りに実施できるかどうかは不透明だ。

 前倒し総選挙の実施には下院議員の3分の2以上の賛成が必要。最大野党労働党の協力が欠かせないが、同党のコービン党首は、まずは延期法案の成立に全力を挙げる構えを見せている。(共同)