Thursday, September 05, 2019 10:35 AM

マグロ回復も依然低水準 漁獲枠拡大、日本に逆風

 オレゴン州ポートランドで開かれている中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)の北小委員会は4日(日本時間5日)、引き続き太平洋クロマグロの資源管理を巡り協議した。日本が求める漁獲枠拡大には資源量が着実に回復していると全会一致で合意する必要があるが、依然として資源は極めて低い水準にあるのが実情で、日本にとって逆風となっている。

 日米などの科学者や政府関係者でつくる国際機関「北太平洋まぐろ類国際科学小委員会(ISC)」が昨年公表した資源評価によると、産卵能力のある太平洋クロマグロの親魚の量は2010年にピーク時の1割以下の1万2000トンまで激減。その後は漁獲規制の成果もあって緩やかに回復しているが、16年の資源量は2万1000トンと低水準を脱していない。

 WCPFCは24年までに約4万3000トンに回復させる目標を掲げる。昨年の会合ではこうしたデータを基に議論したが、漁獲枠拡大を求める日本の訴えは米国などから「時期尚早」と退けられた。ISCの資源評価は昨年から更新されておらず、今回の会合でも同じデータが討議の主要材料となることから、日本が昨年の結果を覆すのは容易ではない。(共同)