Thursday, September 05, 2019 10:36 AM

日産、社長処分の是非検討 不当報酬で来週取締役会

 日産自動車は、西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が株価に連動する役員報酬を不当に上乗せしていた問題の社内処分の是非を来週開く取締役会で検討する。西川氏の求心力低下は避けられず、日産が両輪で進める企業統治改革と業績の立て直しにも暗雲が漂う。

 不当報酬に使われたのは、株価連動報酬の権利「ストック・アプリシエーション権(SAR)」と呼ばれる制度。株価が事前に決められた水準を超えると、保有する株式数と株価に応じて差額を受け取ることができる。権利の行使日をずらし、その間の株価上昇で報酬が水増しされた疑いがある。

 日産は前会長カルロス・ゴーン被告の事件を受け、6月の株主総会で、統治機能を高めるため執行と監督を分離する「指名委員会等設置会社」に移行した。来週の取締役会で今回の経緯と関係者の処分を協議することになっており、新体制が厳しいチェック機能を果たせるかどうか試される。(共同)